書評

昴 曽田正人

何度も読み返してしまう作品というものが誰にでもあるだろう。 この昴は私にとってのその一作品である。はっきり言って、私はこの作品が好悪・快不快で言えば悪、不快に感じる部類に入る部類の作品だと感じている。 主人公は自己陶酔で動くカスみたいな人間…

ブギーポップ 沈黙ピラミッド〜記憶への旅路〜

この本のあまり数のない書評には「物語が進んでいない」という批判が散見される。 私もそうは思う。だが、結論から言うならばブギーポップが語ろうとしているのはわれわれの新しい想像力そのもの、それを突破するもの、なのではないだろうか。 それについて…

「涼宮ハルヒの回答〜エヴァを遠く忘れて〜」

『現在の日本のアニメーションは、まさにそんな状態で、単に自己防衛に希望を語ってごまかそうとしているにすぎないんです。ついでに言うならば、情報誌的な形態を取りつづけているアニメ誌も同様でしょう。今やアニメといえばマンガやゲームからの輸入もの…

塩野七生「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」

オタ的想像力の対象として 真面目な考察のほうもまぁないこともないのですけれども… 正直チェーザレ君、エロゲーの主人公としてかなり魅力的です。 まず、法王の息子で枢機卿でお金持ちで、超美形万能人間で忠実な男の幼馴染側近がいて、兄妹近親相姦して妹…